『glee』を紹介してみる

私なりのglee紹介です。
大きなネタバレは極力避けました。
まだ観ていないけど興味があるという方は参考にして頂ければ。

簡潔に紹介するなら、アメリカの田舎の公立校では通常『負け犬』として卒業まで過ごすようなグリークラブの子達が、歌を通して成長していく話…というところでしょうか。

主人公のWill SchuesterはMcKinley高校のスペイン語の教師。
高校時代にグリー部のスターだった彼は、ブロードウェイの夢には破れたものの、過去の輝きが忘れられず、
すっかり落ちぶれてしまった母校のグリー部を立て直そうとする。
しかし部員はたったの5人。
歌は抜群に上手いけれど自己中で嫌われ者のヒロイン、Rachel。
いつもブランド服を身につけているゲイのカウンターテナー、Kurt。
ちょっと太めの黒人の少女、Mercedes。
眼鏡で冴えない車椅子の少年、Artie。
シャイで吃音症のアジア系少女、Tina。
彼らは学校のはみ出し者で自己主張が強く、チームワークはゼロ。
グリー部を形にし、まとめるためには、学校のスターを入部させる必要があると考えたWillは、スクールカーストの頂点であるアメフト部のクォーターバック、Finnに白羽の矢を立てる。
実は歌うことが好きなFinnが男性リードボーカルとして加入し、なんとか形になったグリー部。
しかし、校長からは州大会で2位までに入れなければ廃部と宣告され、グリー部が復活するためにチア部の予算を削減された件でチア部コーチのSue Sylvesterには目の敵にされ、そしてグリー部はやっぱりスクールカーストの底辺で、部員は毎日顔にスラッシーを浴びせられる始末。
山積みの問題を抱えたグリー部は、果たして大会で勝利を手にすることができるのか!?

…という感じです。設定としては。
Season1の前半は主にWillとRachelとFinnを中心に話が進んで行きますが、後半からは他の部員にも結構スポットが当たります。(まぁ偏りはありますが)
それぞれの問題に直面したマイノリティーの少年少女達が、クラブ活動を通してどう考え、行動し、何を得ていくのかを全体的にコメディタッチに描いたドラマです。

忘れちゃいけないgleeの大きな特色としては、ドラマパートの他に音楽パートがあるということ。
80年代からつい最近のヒット曲まで、ジャンルもポップスからミュージカルナンバーまで幅広く、ストーリーの流れに合わせるような形で色んな音楽をパフォーマンスします。
ただ、ミュージカルドラマとは少し違って、あくまでクラブ活動の中でパフォーマンスをする形なので、普通のシーンで突然キャラクターが心情を歌い出したりはしませんのでご安心を。(笑)
Will、Rachel、Tinaの中の人はブロードウェイ出身なので言わずもがなですが、他のキャストも大半が歌手活動をしていたりダンサーだったりという人達なので、音楽部分のクオリティはかなり高いです。


…と、ここまでは一般的な紹介。
で、ここからが腐った視点での紹介。(笑)

上述したようにグリー部には、ゲイのKurt Hummel少年がいます。
彼は最初のうち、あくまでグリークラブの初期メンバーの一人であって、主役クラスの役ではありません。
しかし物語が進むにつれ、その作中での存在感は増していきます。 (Season2では殆ど主役の一角)
華奢で童顔で、ファッションや音楽の好みが女性的なKurtは、自身のセクシュアリティやブルーカラーの父親との関係で悩むのですが、これがまた実に肯定的で繊細な描き方がされているのです。
実は最近のアメドラでは――特にコメディでは、ゲイの登場人物の一人くらいいても特に驚くようなことではないのですが、それでも向こうのプライムタイムの国民的ドラマで、Kurtのような描かれ方をしているゲイキャラクターはちょっと他に思い当たりません。
gleeのゲイ表現については別に記事を書く予定なので、ここでこれ以上詳しくは書きませんが、とりあえず色んな意味で『凄い』とだけ言っておきます。(笑)
男女のとっかえひっかえ恋愛ばかりのドラマは物足りない、少しは萌えが欲しい、でも完全なゲイドラマはちょっと抵抗がある…という方には最適かと。
勿論、もっと真剣に、ゲイティーンとその周囲の抱える問題について知りたい考えたいという方にも。
あと、北米男子の筋肉主義にはもううんざりよ！細身で童顔の美少年はいないの!?という方にも。(笑)
最初の頃のKurtはまだ顔つきが子供で、ファニーな人形顔なんですが(ピノキオみたいな)1年後にはそらもう美しく成長しますので期待して下さい。